いよいよ今日は、このパイネ国立公園の主役「トーレス デル パイネ」を見に行く日ともあって、朝早くから勝手に目が覚めそわそわする私たち。
しかも、ここ最近の中で1番の晴天という、絶好のトレッキング日和です。
予定では、全ての荷物を背負ったまま4時間のトレッキングをし、山頂近くの無料キャンプ場「トーレス」を目指します。今晩はそこでテント泊。
キャンプ場に荷物を置いて翌朝の日の出に合わせて、夜が明ける前から1時間ほどかけて朝陽を浴びた「トーレス デル パイネ」を見に行きます。
もちろん、その時は真っ暗な中でのトレッキングなので、ヘッドライトを装着してのトレッキング。しかもこの4日目のトレッキングコースは、岩場も多く、さらに登り道が続くコースらしいのです。
テントなどの荷物を全部背負っての、登り道…。
大丈夫かなぁ…
不安がよぎります。
ここ3日間パイネをトレッキングしてきて、ザックを背負ったままの登り道は、トレッキング初心者レベルの私たちにとって、なかなかしんどいことが分かってきました。
山に登る時は、自分たちの体力の限界も知っておくことは大切なこと。
朝からこのまま予定通りに行くか、Mitsuさんと話し合いをしました。
昨日泊まったキャンプ場「ラス トーレス」に今夜も連泊し、張ったままのテントの中に大きなザックは置いて身軽で「トーレス デル パイネ」を見に行こう!とMitsuさんの提案。
4日目のコースと5日目のコースをまとめて日帰りで行くことになるので、今日のトレッキング距離自体は長くなりますが、身軽で行くことが出来るので私たちの体力にはこっちの方が良さそう。
私もその意見に賛成し、「トーレス デル パイネ」で見る朝陽は諦め、昼間の明るい時間に見に行くことにしました。
そうと決まれば、水や昼食、カメラや雨具など、最低限の荷物だけをまとめ、「トーレス デル パイネ」にむけて出発です!
時計の針は10時をさしていました。
Mitsuさんの背中には、LEDランタンを充電しながらトレッキング!
太陽の光で充電することで明かりが灯されるので、昼間はこうやって充電しておくと、真っ暗な夜のテント内で大活躍なのです。
電池を使わないエコな電球。
軽いし、折りたたむと邪魔にもならないので、持ってきて正解のアイテムです。
早速始まる登り坂。
リオ・アセンシオ川を右手に、谷沿いを登っていきます。
この時間は、下山する多くの人とすれ違う時間。
大きなザックを背負って下山してきている姿を見ると、きっと山頂近くのキャンプ場に泊まって朝陽を見てきたんだろうなぁ。
それにしても、このアップダウンを重たい荷物を背負ってのトレッキング、本当にすごいなぁと感心です。
しばらくすると、馬が走ってきました。
狭い道を颯爽と走る馬。
ここのルートも、頻繁に馬が通るようです。
どうやらマキを運んだり、車が入れないキャンプ場の売店の食料を運んだりしている様子でした。
こうやって、昔ながらの運搬方法で物を運んでいたんですね。
トレッキング開始2時間半ぐらいしたところで、一つ目のキャンプ場「チレーノ」に到着。
ここで少し休憩をとります。
さっき走っていた馬たちも、ここが終点。馬も休憩中です。
そして、今度は森林地帯を1時間半ほど歩くコースに入ります。
森林の隙間から、遠くに「トーレス デル パイネ」の一部がチラッと見え始めてきたじゃありませんか!
「うわー!トーレス デル パイネが見えてきたよ〜!」
テンションが上がる私たち。
トーレス デル パイネの「トーレス」とはスペイン語で「塔」のこと。その名の通り、3本の岩峰がとても印象的な、パイネ国立公園を象徴する山なのです。
次第に大きな石がゴロゴロっと転がる岩場に差し掛かり、ここから最後の1時間は高低差400mもある岩場を登ることに!
ふぅ〜。
見上げると、上まで岩場!
なかなかハードなコースです。
でもここを登りきったら、トーレス デル パイネの絶景が見れる!と思うと頑張れます。
急な岩場を乗り越え、遂に3つの塔が出てきました!!
これが、あのトーレス デル パイネ!
お札に載ってるあの山です。
透き通った青い空。
太陽の光を浴びたエメラルドグリーンに輝くトレス湖。
年中溶けない積雪。
そして、険しい3つの塔。
時に通り雲が、さらにこの風景を惹きたててくれ、ど迫力満点の絶景です。
ここに登らないと見れない風景。
休憩をしながら5時間かけてやっと来れた〜〜!という達成感に、感極まりそうになりました。
左側がトーレ・スール塔(2850m)、真ん中がセントラル塔(2800m)、右側がトーレ・ノルテ塔(2248m)からなる、トーレス デル パイネ。
この塔は約1200年前に地下から隆起した岩山で、そこに積もった雪が氷河となり、その氷河の侵食によって削り取られてこのような姿になっていったのだそう。
時代を超えて鋭い峰となっていった塔たち。
堂々と聳え立つ姿は、偉大なエネルギーが秘められたような、そんな場所。
トレス湖周りにある岩に寝そべっている人もいれば、
ボーッと眺める人もいます。
ここに来た人たちは、激しい岩場を乗り越えて来れた人たち。到着した達成感のもと、各人が思い思いの過ごし方で、ゆっくり時間が流れていきます。
私たちもしばらく見入っていました。
ここでの朝陽は見れなかったけど、カラッと晴れた昼間も最高に贅沢な時間です。
パタゴニアらしい、他の何事にも代えがたい壮大な風景に、心の中が一瞬にして浄化されていく感じがしていきました。
この風景を楽しんだ後は、後ろ髪を引かれる思いで、下山をしていくことに。
また4時間かけて下っていきます。
下っている途中、
「ジャパニーズ カップル〜〜!!」
と下から声がします。
偶然にもプエルト・ナタレスの宿に泊まっていたオランダ人カップルの、エブリンとリッキーでした!
彼らも1年半かけて世界一周中で、テントや寝袋を持ち歩いて旅をしているらしく、私たちと同じ境遇。
2人はこれからトーレス デル パイネを見に行くところとのこと。夕陽を狙ってるのかな。
たまたま同じ日にパイネトレッキングをスタートし、どこかで会えたらいいね〜と話していて、4日目での再会です!!
広い公園内で再会できて、嬉しかったなぁ。
どこのキャンプ場に泊まっているの〜?とか、どういうルートで来たのかとか、たわいもない会話を楽しみ、また分かれました。
来た道と同じルートを通っての下山ですが、目に飛び込む角度が違うと、また違ったルートをあるいているかのよう。
無事に夕方18時頃下山し、下界に戻ってきました。
素晴らしい景色が見れて、本当に最高な日となりました。
これにてパイネトレッキングで予定していたWコースが終了です。
私たちは2日目のフランセス谷には行けず、途中コース変更をしたために、Wの形ではなくUのようなコースとなったパイネトレッキング。そして5日目のコースも今日歩いて来たので、5日間のトレッキング予定が、1日早い4日間で終了しました。
明日の5日目は、荷物をまとめてまたバスでプエルト・ナタレスへ帰ります。
どこを切り取っても絶景続きのパイネトレッキング。
今まで想像でしかなかったパタゴニアでしたが、一生忘れられない光景ばかりを目に焼き付けることができた思い出深いトレッキングとなりました。
帰るのが、なんだか名残惜しいなぁ。
2 件のコメント :
嘘くさいほどの絶景!これはヤバイ。。その場に居たら泣ける自信アリ
マルヤマ
まるさん!絶景続きでヤバかったですよ。ほんと泣けるぐらい感激しました。本当に本当に最高です!
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