パラグアイに来たら絶対見に行きたかったものがコレ。
虹色のレース、ニャンドゥティ!!
繊細な模様といい、
鮮やかな色合いといい、
ずーっと見ていられるほど美しいレース。
実はこれ、パラグアイの先住民グアラニー族に古くから伝わるレースらしいのです。
その歴史、実に500年!!
16世紀〜17世紀頃、スペインの植民地時代にスペインから伝わったレースだそうで、その時は真っ白い色だったらしい。しかし植物が豊富な南米パラグアイに渡り、草木や花で色鮮やかに染めた糸で作られるようになったんですって。
「ニャンドゥティ」はグアラニー語で《蜘蛛の巣》の意味。
その名の通り、蜘蛛の巣のような放射状の模様を、細い糸で一針一針織り上げて作るレースなのです。
私たちもこのニャンドゥティを知ったのは、南米に来てから。
パラグアイに入国する前に、パラグアイの予習をしていた時、ガイドブックに載っているのを見て知ったのです。
これは是非ともニャンドゥティを見てみたい!!
泊まっている宿らぱちょの上田さんに、尋ねてみました。
「どこに行ったらニャンドゥティ見れますか??」
アスンシオンのセントロ(中心地)にあるお土産屋さんで見ることはできるけど、折角ならここから30km先にあるイタグアという町がニャンドゥティが有名な地だから、そこまで行ったらたくさん見ることができますよ!
とのこと。
更にそのイタグアには、希少になりつつある刺子さん(職人さん)が多く住んでいるらしく、直接その方のお家に行ったら刺子さんの作品を直に安く購入することができるんですって。
なんですって!?
行ってみたいーーー!!!
イタグアに住む刺子さんは、それぞれの家で作業を行っているらしい。
なんと上田さんから、パラグアイの国宝級と呼ばれている素晴らしいニャンドゥティを作り出す職人さんの御宅をご紹介していただいたのです。
えぇぇぇー!!
御宅訪問だなんて、いいんですかぁぁぁーー!!
私とMitsuさんは、有無を言わさずそのイタグアという町へ行くことを即決。
上田さんから行き方を教えてもらい、早速アスンシオンから路線バスで向かうことに。
上田さんにニャンドゥティのことを質問して、実に3時間後にはイタグアの町にいましたからね!笑
パラグアイの路線バス1人3300グアラニー(約66円)。これは綺麗な車体のエアコン付きのバスの値段。
エアコン無しのオンボロバスは、1人2000グアラニー(約40円)で乗れるんです。
しかも、10分乗っても1時間乗っても何処まで行っても同一料金らしい!
パラグアイ安い!!!
標識のないバス停らしき場所で待つこと20分。
エアコン付きのイタグア行きのバス〜!
乗車すると
しかもモニターにはTOKYO?
そんなメーカーありましたっけ?
揺られること1時間。
そしてイタグアに到着。
町には、ニャンドゥティのモチーフの塔や、
よく見ると手すりまで!!
大きな国道沿いには、ニャンドゥティのお店(お土産屋さん)がずらーっと建ち並んでいます。
ニャンドゥティのお店は、入り口にはハンモックが目印のようです!
ハンモックも有名なパラグアイの田舎では、庭先にハンモックをぶら下げてお昼寝することも多いんだとか。また赤ちゃんの寝かしつけにも良く使われるそうです。
きっと、おばあちゃんから代々編み方を受け継いで、各家庭で編まれているんでしょうね。
そして、エンカヘジュと呼ばれるレースで作られたお洋服や、アオポイと呼ばれるパラグアイを代表する綿織物たちまで。
か、か、可愛い!!!
糸が生み出す模様が本当に綺麗。
わ!ニャンドゥティ発見!
パラグアイの伝統ダンス、ボトルダンスの衣装にもニャンドゥティが使われているそうで、ニャンドゥティのブラウスやスカート、ドレスなんかもありました。
確かに洋服にしても可愛い〜。
あるお店では、真っ白な糸で編んだニャンドゥティ伝統ウェディングドレスの写真が飾ってあったんです。
その店番をするおばあちゃんと、仲間4人で1年間かけて作った大作!!
写真は撮りませんでしたが、それはそれはとーっても素敵でしたよ。
沸々と湧いてきた物欲を抑えることに必死。
なぜならイタグアに来た目的、クリスティーナさんの家にすらまだ辿り着いていないのですから!
もしクリスティーナさん宅で何も買わなかったら、ここのお土産屋さんが並ぶ通りに戻って、お買い物して帰ろう!
そう決めてクリスティーナさん宅へ向かいました。
お家は、特になんの看板などの目印がない一般家庭の御宅とのこと。
案の定迷ってしまい、ウロウロ。
住所を辿り、ここかな?と不安になりながら、庭先にいた女性に「クリスティーナさんの家ですか?」と聞くと、正解!
庭先には、最後の工程である糊付けする作業中のニャンドゥティたちがたくさんありました。
「ニャンドゥティを見せてもらいたいのですが…」
と言うと、
突然の訪問にも関わらず、笑顔でお家の中へ案内してくれました!
笑顔が素敵なクリスティーナさん。
わぁ〜!!!
別の部屋から、たーーーくさんのニャンドゥティを次々に持ってきて下さり見せていただきました。
やばーーい!
人間国宝級ニャンドゥティの刺子さんなのです!!!
お部屋の中には、表彰されている写真が飾られてました。
そんな凄い方のお家に、今私たちはいるなんて…。
光栄すぎますーーー。
シンドゥルファおばあちゃんは、7歳の頃からお母様とおばあ様にニャンドゥティを習い始めたそうで、なんとこの道70年!!ニャンドゥティ職人として専業されてきたんですって。
そんなベテラン、シンドゥルファおばあちゃん。
娘のクリスティーナさんも刺子さんなのです。
ニャンドゥティのスカート!
この青いのは、オーダーで頼まれているスカートを制作中なんですって。
面積が大きなスカートは、パーツごとに分けて織っていくのだそう。
もう、よく見れば見るほど織りが細かくて、丁寧。一つ一つ模様も違ったりして。気が遠くなるような工程は、まさに職人技です!!!
コースターサイズの小さなものから、ベッドカバーの大きなサイズまで、色々な種類のニャンドゥティがずらり!
壊れるまで何度も繰り返して使うという木枠に木綿の布を張り、その布の上にコンパスや、コップや食器を使ってモチーフを書いていくのだそう。
小さなものは3.4時間、
大きなサイズだと2ヶ月も掛かるんですって。
一針一針丁寧に織って作り上げる作品。
刺し子さんによって生命が吹き込まれていく過程を見ることができて、感激でした。
ずっと笑顔で私たちに作品を見せてくれるとても可愛らしいおばあちゃん。
次から次に見せてくれるもんだから、テーブルの上が大変な事に!笑
しかし、私たちは1点1点ぜーんぶチェックさせていただきましたよ。
もう、どれも素敵すぎて興奮です!!
レースって女の子が大好きなやつですね。
メンズライクなヴィンテージが好きな私でさえ、好きですから。
世の中の女性は、少なからず気になるアイテムではないでしょうか。
そんなレース=女子なのかと勝手に思い込む私。
Mitsuさんに付き合わせてしまって申し訳ないないなぁ〜と思ったら
しっかりMitsuさんもニャンドゥティにはまっとった!
ずっとグラフィックデザイナーの仕事をしていたMitsuさん、こういう色使いや手仕事、物作りが好きみたい。
あぁ〜良かった、良かった!
退屈そうに待っていなくて。
パラグアイに来たら記念に一つは欲しいと思っていたニャンドゥティ。
この色使い素敵!
って、これぜーんぶ連れて帰っちゃいました。
一つどころか、こんなに買っちゃいましたからね…、私たち!ww
帰国してから考えるとします。
貴重な旅資金をはたいてまで連れて帰りたかったニャンドゥティ。一生の宝物ができました。
ちなみに、日本でもジワジワ人気になってきているニャンドゥティ。
実はこんなに本も出版されています。
読んでみると。
うぁぁぁー!
シンドゥルファおばあちゃんだ!!!
やっぱり凄い人だったんだ。
本には、ニャンドゥティの歴史や織り方を始め、シンドゥルファおばあちゃんの作品が沢山紹介されていました。
これも
直接おばあちゃんからニャンドゥティを買うことができ、凄い嬉しかったです。
作り手の顔が見える作品ってそれを手にするたびにその人の顔を思い出すし、ただお店に並んでいるのを買うのとは全然違ってきます。
私の場合、その物に対する思入れが1000倍ぐらいになりますもん。
古くから継承され続けている伝統工芸の作り手が、どんどん減少している日本と同じく、ここパラグアイも同じ状況なんだそう。若い人で作れる人もかなり少なくなってきているんですって…。
この素晴らしいニャンドゥティが、いつまでもパラグアイの華となって継承され続けますように。
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