朝7時30分。
プエルト・ナタレスのバスターミナルから、数多くのバス会社が一斉に出発するので、それに合わせて私たちも準備!
夜が明ける前からバスターミナルに向かいます。
5日間の必要な荷物のみザックに詰め込み、その他の荷物は泊まっていた宿で無料で預かってくれるので、いつもより荷物が軽くて楽ちんです。
それでもこんなに膨らんだザックを背負っていくことに。
静かなバスターミナルも、この時ばかりはパイネへ行く人たちで賑わいます。
バス料金は、各社ともに1人往復15000チリペソ(約2.550円)で統一。
私たちも昨日プエルトナタレスの町中で予約したバスチケットを持って、いざパイネへ出発です!(出発当日、バスターミナルでもチケットは購入できます。)
前日、高揚感で眠れなかったYokoは、パイネ国立公園へ到着するまでの2時間ちょっと、バスの中で爆睡。
目が覚めたら、既にパイネ国立公園の入り口に到着していました。
ここで、名前、国籍、パスポートNO、何日間どんなルートでトレッキングするのかを申請しなければなりません。
手続きを済ませた後、公園の地図をもらえると同時に、公園内でのマナーやルールの説明を受けます。
5年前にここパイネで、旅行者の火の不始末によって起きた、大規模な火災が起きたのだそう。
それ以降、公園内では火の取り扱いはとても厳しくなり、キャンプ場以外の場所では火を使ってはいけないそうです。
強風で、しかも乾燥しているパタゴニアでは、火が燃え移ると一気に広範囲にわたるので、ちょっとした火の不始末によって大惨事になってしまうのです。
入山する全員がここで説明を受け、ここから早速トレッキングを始める人もいれば、私たちのルートのように西側から攻めていく人もいるので、ここで各自それぞれ分かれます。
西側から行く人たちは、2番目のバス停留所プデートまで行く為、再度30分間ほどバスに乗ります。
この間のバスからは、数々の名峰が見えて絶景。更にバスの中からは虹の歓迎を受けました!
これから5日間ここの景色を満喫できるのかと思うと、わくわくが止まりません。
プデートでバスを降りた後はキャンプ場「パイネ グランデ」のある向こう岸までフェリーに乗ります。
フェリーの待ち時間も強風で寒い!
30分程乗るフェリーは1人15000チリペソ(約2.550円)。高めの料金設定。
フェリー内はこれからトレッキングをスタートする人たちでぎゅうぎゅうです。
フェリーに乗る代わりにここをトレッキングで行くルートもあるようですが、私たちはフェリーに乗って向かいました。ここからの景観もとっても綺麗なのです!
向こう岸にキャンプ場「パイネ グランデ」に到着〜!戻りのフェリーに乗り込む人の長蛇の列ができてました。
エメラルドグリーンに輝くペオエ湖。
雲が多い中にも晴れ間から降り注ぐ太陽の光が反射し、美しい色に圧巻です。
キャンプ場「パイネ グランデ」に到着したのは13時ごろ。
私たちも早速テントを張ります。
テーブルに置いておいた荷物もレンガや石などの重石で飛ばされないようにしておかないと、吹き飛ばされるぐらい強風。そんな中でテントを張るのも大変でしたが、何度か野宿をしていたお陰で?テントを張る手際も良くなってきたようです。
今晩のお宿が完成〜!
腹ペコを満たすために、直ぐに食べれるカップヌードルを食べます。
パイネにいる喜びと空腹感が相まって、美味しい〜〜!!
普段日本では、添加物だのなんだのと言ってカップラーメンなどほぼ食べなかった私たち。これがまた、こんな大自然を見ながらだと格別に美味しく感じるのです。
お腹を満たし、直ぐに今日の目的「グレイ氷河」を見るためにトレッキング開始です!
荷物はテントの中に置いてトレッキングできるので、とっても身軽!!
グレイ氷河までは、このパイネ グランデのキャンプ場から片道11kmで4時間のトレッキングルートです。
トレッキングスタート時点で時計の針は14時。
往復8時間かかる+グレイ氷河を見る時間30分〜1時間と考えると、急がねば!!
パタゴニアのこの時期の日の入りは20時30分と遅くまで明るいのですが、それでも帰り道は真っ暗であろうと、各自ヘッドライトとお水、そして飲み物を、持ってきていたショルダーバッグに入れて歩きます。
天気が崩れ始め、雲が出てきました…やばい…
雨よ、降らないで下さい!!
足早に、雪が降り積もる「パイネ グランデ山」を横目に歩いていきます。この山はパイネ国立公園の中で最高峰の山と言うだけあって大迫力!!
歩き出して1時間ぐらいは、なだらかなルートですが、身体がもっていかれそうなぐらい強風です。
身体を支えてくれるトレッキングポールを持ってきていない私は、そこら辺に落ちていた枝が大活躍!!
これが有るのと無いのとでは大違いで、5日間私たちを助けてくれる良き相棒となりました。
しばらく歩いていると、黒く炭化した木々の中を通ります。
あたり一面、このような木々たち。
もしや、これが火事の跡なのでしょうか。
だとすれば5年も前なのに、まだこんな「燃えた跡」の状態が残っている姿を見ると、当時の火災がどんなに広範囲に広がっていたのかを物語ります。
しかしその横では、力強い緑色をした新しい命も芽生えていました。自然の生きる力がここにもありました。
途中、このような看板が至る所に設置されているので、地図を出さなくても目的地までの目安となってすごく助かります!
コースの中盤は、アップダウンの激しい峠を越えていき、荷物が身軽な私たちですら息切れするコース。
グレイ氷河手前にあるキャンプ場「グレイ」でテントを張る人は、ここをすべての荷物を背負って歩いていかなければならないので、体力あるなぁと関心です。
ちょっと休憩しよっか、と立ち寄った岩場。
「うわーーっ!あれ氷河じゃない⁈」
壮大なグレイ湖が広がる中に見えたのは、なんとグレイ氷河から流れて来た流氷ではありませんかー!!
生まれて初めて見る氷河に感激のあまり、しばらく立ち尽くす私たち。
何千年も前に、山に降り積もった雪が流れてガチガチに固まり、そして崩れ落ち、こうやって湖に流れ、溶けて水となり蒸発していく。
氷河は、人間よりもはるかに長い時間をかけた一生。浮かんでいる流氷を見ると、思わず「長い間、お疲れ様でした」と言いたくなりました。
流氷が見えてきたということは、もう少しで雄大なグレイ氷河に出会えるはず!
期待感が増し、足早になる私たち。
すると!
遠くにうっすらとグレイ氷河が見えてきました!
「凄ーーい!!やばーーい!何あの氷河の固まりは!!」
興奮が増し、テンションもおかしな事になってしまいました。
早く行こう!
そう言って、黙々と歩き始めます。
そしてついに近くの絶景ポイントに到着!!
しばらく何の言葉も出ませんでした。
ここで、Mitsuさんがあるものを取り出しました。
ウィスキー!!
氷河の氷を使って、ウィスキーオンザロックを楽しみたいと。
ここに来たら、やりたかったんですって。
ぷかぷか流れている小さな流氷を取って、更にカチ割って持ってきていたコップにIN!!
昔に出来た氷、そしてグレイ湖もなんだか白いけど大丈夫なのかな…?多分、鉱物が溶けて白くなってるんだろうけど、変な菌でお腹壊さないかな…。
そう不安をよそに、Mitsuさん。
「氷河ってすごい透明度が高いから、氷自体そのまま食べても問題ないらしいよ!湖も白いけど、お腹壊さないらしい!」
本当に?!
そう心配をよそに、キンキンに冷えたウィスキーを楽しむMitsuさん。
とっても嬉しそう〜。
私はウィスキーそのまま飲めないので、持参していたコーラでコーラ割りにして飲んでみることに。(不安がりながらも、私も飲む気満々でコーラ準備してるし!)
恐る恐る飲んでみる。
「おいしーー!!」
何千年も前に出来た特別な氷。初めてのウィスキーコーラ割り。どちらにも感動です。
そしてウィスキーと言えばチョコレート!!
Mitsuさんにとっては、ウィスキーを楽しむ為のチョコレートですが、私にとっては、空腹満たしの為のチョコレート。
めちゃくちゃ美味しかったです。
あとはお腹を壊さないことを祈るばかりです!!
本当はまだまだゆっくりしたいところですが、30分ぐらいで撤収!
この時点で18時すぎ。
ここからまた同じルートで戻らなければなりません。日が落ちるまでタイムリミット2時間ちょっと。
行き4時間かかったルートも、トレイルランばりの急ぎ足で歩き、3時間で戻って来れました。
最後の30分だけヘッドライトを付けてのトレッキング。
この日、満月の月明かりがとっても明るくて綺麗でした。
無事キャンプ場「パイネ グランデ」に戻り、お待ちかね晩御飯タイムです!
重たいものから食べて、少しでも荷物を楽にしよう。
Mitsuさんお手製のスペアリブと、日本米、そして即席お味噌汁!
昨日から漬け込んでいるお肉と卵には、しっかり味が染み込み、ご飯が進みます。
前日、ほぼ睡眠をとっていなかった私も、目に飛び込む絶景にアドレナリン出まくりだったお陰で、眠たくなったりダルくなったりせず、あっという間にすぎた大満足の1日目でした。強いて言えば天気が曇ってたので、それだけが残念。
明日は晴れますように!!
0 件のコメント :
コメントを投稿