今度は、明るい時間帯のハーレムのお話し。
初日の夜にして、黒人街ハーレムを堪能した私たち。
音楽が飛び交う黒人街は、ニューヨークの中でも独特な雰囲気を醸し出していました。
昼間歩くハーレムでは、こんな星条旗を多く見かけます。
ハーレムに住む多くの人の先祖は、アフリカからの奴隷移民たち。アフリカのルーツを持ちながらも、今は3世、4世、5世まで広がり、ここで産まれた子孫たちはアメリカ人なわけなのです。
この旗を初めて見た時は、異様なカラーにドキッとしましたが、よくよく考えるとアフリカンとアメリカンならではの、この地特有の旗だったのです。
そして、ジャズにソウル、ヒップホップにR&B、サルサ、ロックなどあらゆるジャンルの音楽が飛び交う街。
そんなハーレムには、黒人文化が作り上げた代表的な音楽、ゴスペルミュージックがあります。
ゴスペルミュージックは、アフリカからアメリカに奴隷移民してきた人々によってできた音楽なのです。
当時、独特の宗教や言語を剥奪された彼らは、苦しい状況下の中、神に賛美を音楽で捧げるようになったそうです。その音楽こそがゴスペルミュージック。アフリカ特有のリズムと、賛美歌が融合して生まれました。
ニューヨークには多くの黒人街があり、その街にある教会には、毎週日曜日の礼拝が行われる時間になると多くの信者さんが集まるのです。
私たちは、本場のゴスペルを自分たちの耳で聞きたく、日曜日の教会へ行きました。
礼拝は多くの信者さんが集まる神聖なる場所である教会。マンハッタンにも観光客が入りやすいゴスペル教会があるそうですが、基本的には礼拝はキリスト教信者さんの信仰の場。観光客NGの教会もあるそうですが、私たちは先日行ったハーレムにある観光客も参列可能な教会へ向かったのです。ゴスペル教会の多くは、ここハーレムに集まっているそうです。
私たちが向かったのはハーレム最大の教会「THE GREATER REFUGE TEMPLE(グレーター リフュージ教会)」。
男性はスーツ、女性もセットアップのスーツに同じ色で揃えた帽子を被った姿はとても素敵でした。信者さんたちは、毎週礼拝へ行くときは綺麗に着飾って、参列するのです。
私たちは、「礼拝を見物しにいく」としてではなく「礼拝に参加させてもらう」という気持ちで向かいました。
参加させてもらうにはルール厳しく、Tシャツやサンダル、ショーツやどのカジュアルすぎる格好はNG、女性の露出が高いノースリーブなどもNGだそうです。カーディガンやショールがあると便利です。
途中退席も避けなければなりません。
そして礼拝中の写真撮影は禁止。
厳粛な雰囲気です。
THE GREATER REFUGE TEMPLEの公式HPがあったので、そこから写真を拝借さました。
こちら。
その時の様子はというと…
礼拝1時間半ほど参加した私たちは、全身が身震いするほど、鳥肌が立ち、Mitsuさんも私も涙が止まりませんでした。
大袈裟でもなんでもなく、本当に感激感動のあまり…。
教会の中は、殆ど席が埋まるほど満員にちかい状況でした。その殆どは正装をした地元の人々。私たち観光客は、後部座席に座りました。
牧師さんの説教があり、聖歌隊によるゴスペルソング。
次第に地元の人たちも席を立ち、リズムに乗りながら大熱唱!!
Mitsuさんも私も、キリスト教徒ではありませんが、高校がキリスト教系の学校だったということもあり、毎日の礼拝や賛美歌、聖書には馴染みがありました。
しかし私たちがイメージしていた礼拝とは違い、パイプオルガンで演奏かと思いきや、キーボードやドラム、ベースで音響設備も充実。
まさにライブ会場にいるかのような熱気でした。
ずっと「ハレルヤ」と叫んでいる人もいれば、涙を拭いながら歌を唄っている人も見かけました。
教会内が一つになり、参列者全員がゴスペルに全身全霊を込めて賛美している姿を見ていると、私たちは自然と涙が止まらなかったのです。お互い顔を見合わせると顔はぐちゃぐちゃ。
礼拝の半分以上はゴスペルソングが響いていました。
私たちの隣にはベテラン信者さんが座って色んなルールを教えてくれました。
礼拝中、2度にわたって献金のお皿が回ってきたときも、「あなたたちは1回だけで大丈夫よ」とか、皆んなで立って唄うときは、「ここで立つのよ」とか次に何をすべきかこっそり教えてくれたのです。
最後私たちが教会を去る時も「また来てね」と言ってくれたのです。厳粛な中にも本当にアットホームで親切でした。
観光客に対しても、歓迎してくれる姿がとても嬉しかったです。
後から牧師さんがお話しされていたのですが、皆の献金によって、これだけ立派な音響設備も購入できるようになったんだそうです。
皆によって支えられている教会。
そしてゴスペルを通して神に強く信仰している姿を見て、人生観が変わるほど色々考えさせられるものがありました。
礼拝が終わったのは、お昼12時半すぎ。太山が予め調べてくれていた教会アフリカ料理のレストランでランチをしました。
豚肉の煮込みと、その下には雑穀米がどどーん!1プレート12ドル。
お肉は柔らかいし、ピリ辛なソースが美味しい!しかし量が多すぎて2人で食べてもギブアップ。そのぐらいボリューム満点でした。
ニューヨークに行かれる方、ぜひゴスペル教会に参列されることをお勧めします。
マンハッタンの教会は、大手の旅行会社がゴスペルツアーなどと称して観光スポット化されているようですが、地元の人が多く集まるハーレムの教会は、地元の人と一体化した空間という厳粛なる場所で、とても良い経験になりました。
本当に身震いしますよ。
何も感じずにはいられない場所です。
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