南北3800kmにわたって広がるアルゼンチン。ボリビアから陸路で国境入りした私たちは、北はフフイ、そして南は最南端の町ウシュアイアまで大移動しながら過ごしてきました。同じ国だとは思えないほど、南北で全く異なる物価、風景、文化に驚きました。約15年前に経済破綻したアルゼンチンは、経済の回復に時間がかかり、アルゼンチンペソは信用ならない外貨として両替をするにも安くしか売れません。その為アルゼンチン国内でも安定した米ドルの方が人気となり、海外からの観光客の外貨両替は、高いレートで米ドルをアルゼンチンペソへ両替ができる闇両替が一般的になってしまいました。私たちが訪れた時は、ちょうど3か月前にアルゼンチンの大統領が変わり、国内も新しい政策が始まったばかり。闇両替が廃止され、強いインフレ傾向にある為、短期間での物価高騰があからさまに起きていたタイミングでした。昨年のガイドブックを見ても参考にならないほどの物価高騰に戸惑いましたが、念願のパタゴニア地方も物価の高いアルゼンチン側は駆け抜けるように通過し、なるべくチリ側を移動するようにしていました。
アルゼンチンってどんな国?
①フフイ(アルゼンチン北部)
ウマワカ渓谷を見に行く為、拠点としていた町です。このウマワカ渓谷は170kmに渡り、世界遺産に登録されている渓谷です。「七色の丘」があるプルママルカ村はフフイからバスで1時間ほど。色鮮やかな岩肌が見事な景観でした。アルゼンチンに入国したと言えど、まだボリビアに近い雰囲気を持つフフイ。先住民は見かけませんでしたが、ペルーやボリビアに住むインディヘナ、チョリータのような背が低くてちょっとぽっちゃりめ、浅黒い人が多い印象でした。ここでは日本人が珍しいのか、私たちに興味を持って声をかけてくる人が多く、皆さんとてもフレンドリー!そしてアルゼンチンの中でも比較的物価は安く、約100~200円で気軽に食べれるような屋台も数多くありました。
②サルタ(アルゼンチン北部)
ここまで南下してくると人種も変わり、欧米人のような顔つき、そして長身の人を見かけるようになりました。町並みも、まさにヨーロッパの雰囲気。大きな公園内にはロープウェイもあり、観光地として整備されている印象でした。さすがサッカー競合国アルゼンチンというだけあって、街中にはサッカーのユニフォームカラーを着た人が多くいます。サルタ自体には特にこれといった見所はありませんが、西のチリへ抜ける人、東のパラグアイへ抜ける人、そのまま南のアルゼンチンへ抜ける人、といったように各方面へ抜けるバスも通っている為、多くの旅人が通過点として滞在する町となっているようです。
③ウシュアイア(アルゼンチン南部パタゴニア地方)
地球の最南端の都市「ウシュアイア」は、南極大陸へ渡る人が拠点とする場所。かつて牢獄の島とされていたウシュアイアは、牢獄カラーであるイエロー×ネイビーボーダーのモチーフのものを至る所で見かけました。港には、常に南極クルーズ豪華客船が停泊していました。空港から降り立って目に飛びこむ景色は、アルゼンチン北部とは打って変わって厳しくも美しく雪化粧をした山々が壮大。パタゴニア初のトレッキングも、ウシュアイアにある「エスメラルド湖」でした。ここにはビーバーが生息しており、ビーバーが作り出す景観にも驚きでした。またウシュアイアにはペンギンも生息しており、ペンギンツアーも有名です。そしてここは過去最高に物価の高い都市でもありました。ドミトリー(相部屋)でも1人1泊2000円以上。これまで1人1泊1500円の宿泊費を上限として予算を立てていた私たちにとっては、かなりの大きな出費となりました。
④エル カラファテ(アルゼンチン南部パタゴニア地方)
ロスグラシアス公園にあるペリートモレノ氷河の拠点となる町です。私たちはツアー会社を通して氷河見物及び氷河トレッキングに参加してきました。世界で3番目に大きなスケールを持つ氷河というだけあって、その迫力は圧巻。まず日本では見ることのできない光景に、ただただ感激するばかりでした。透き通るような青さを放つ氷河は、何千年、何万年もの月日をかけて山に降り積もった雪が、どんどん押し流され圧縮されていったもの。人の手が一切加えられていない自然美に見惚れました。拠点の町エル カラファテに滞在中は、キャンプ場でキャンプ生活を送っていました。
⑤エル チャルテン(アルゼンチン南部パタゴニア地方)
アウトドアブランド「patagonia」のロゴマークのモチーフとなった山、フィッツロイがある場所。ここに来る人のほとんどが、フィッツロイを目指してやってくるのです。私たちが訪れた理由もまさにフィッツロイトレッキングをする為に行きました。ここはアルゼンチンでも最も新しい町で、壮大な山々の中に囲まれた小さな町という印象。町自体は1日もあれば歩いて回れるほどの規模で、銀行も1ヶ所、野菜などの鮮生品を扱っているスーパーも把握している範囲で3ヶ所しかありません。なので物価も高め。家やホテルも続々建設中でしたので、まさにこれから発展していく町なのでしょう。私たちは、2泊3日+別日に日帰りでフィッツロイトレッキングを決行。ここでもテント泊が続きました。秋に差しかかろうとしていたシーズンだったので、紅葉し始めてとても綺麗でした。そして一番の感動は、何よりも朝陽を浴びた「燃えるフィッツロイ」を見れたこと。カメレオンのように瞬く間に変化するフィッツロイの姿に感銘を受けました。
アルゼンチンでの移動は?
広大な国土面積を持つアルゼンチンを移動する手段は、ほとんどが長距離バス移動でした。もちろん移動費もめちゃくちゃ高いのです。パタゴニア地方では兼ねてより訪れてみたかった場所ということもあり、地元の人とのコミュニケーションも兼ねてヒッチハイクでの移動を試みました。物価が高いパタゴニア地区は、ヒッチハイクのライバルが多数。順調な時は15分ぐらいで成功したものの、全く車が停まってくれない日もあり、途中から苦戦。それでも約1000kmはヒッチハイクでの移動でした。
路線バスも乗りました。かなり格安で乗ることができます。私たちは空港やバスターミナルに向かう時に利用しました。何もルールを知らずに乗り込んだバスでしたが、アルゼンチンの路線バスって、現金が使えないものがほとんど。日本で言うSuicaやPASMOのような電磁カードを売店などで購入して乗車します。私たちは、その時たまたま居合わせた親切な女性が、自分のカードで私たち2人分も支払ってくれ、私たちは後からその女性にバス代を現金で支払いました。アルゼンチン人、本当に優しい!!
アルゼンチンの相場って?
ワイン1本 40アルゼンチンペソ(約320円)
コカコーラ500ml 14アルゼンチンペソ(約112円)
水500ml 14.60アルゼンチンペソ(約119円)
ピザ 1ホール 65アルゼンチンペソ(約520円)
バナナ1房 11アルゼンチンペソ(約88円)
ウシュアイアのドミトリー宿 279アルゼンチンペソ(約2232円)
牛肉300g 40アルゼンチンペソ(約320円)
牛肉300g 40アルゼンチンペソ(約320円)
外食でステーキ300g 250アルゼンチンペソ(約2000円)
物価の高いアルゼンチンは、ペリートモレノ氷河観光だけでも2人で28.160円もかかり、観光費がかなりかさみましたが、それでも1日1人あたり2.581円と安くおさえることができました。
その内訳としてはレストランでの外食は皆無なほど高く、私たちはほぼ自炊生活でした。牛肉が驚くほど安いアルゼンチンは、スーパーでも新鮮なステーキが1人前300円で食べれるほど。
そしてもう一つ。ワイン生産国として世界第5位のアルゼンチン。ここアルゼンチンには多くのワイナリーがあり、有名な品種マルベックやカベルネソーヴィニョン、シャルドネなどのワインを格安で飲むことができます。 いつもの自炊生活もワイン片手にステーキ三昧で、なんだかリッチになった気分でした。
宿泊費が高いアルゼンチン。私たちはホステル泊は極力避け、キャンプサイトがあるところではテント泊をするようにしていました。
大自然パタゴニアのスケールの大きさ、そして美しい景観にに何度も感激したアルゼンチン。自然が作り出す力に驚きの連続でした。
個人的に、私はフィツロイが一番よかったな!
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