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2016•1•13出発 〜 2017•4•13帰国 《37カ国》  旅のルート

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2016-07-22

チマヨラグの御三家のアトリエへ行くべく、チマヨ村訪問

サンタフェから、およそ40km。
チマヨ村へ訪問することにしました。

ハイウェイ途中の橋に、こんな可愛い柄のペイントが!
 この周辺を走っていると、「Indian Resarvation」という看板をよく見かけるようになりました。Indian Resarvationというのは、インディアン居留地のこと。
アメリカ政府が、インディアンの居住地として指定したエリアであり、現在このIndian Resarvationは268箇所あるそうです。居留地の中では、政府、警察、病院、郵便局など、あらゆる機関が部族によって運営されており、アメリカ国内でもインディアンが安心して住める場所として保護区となっているのです。だからと言ってインディアンは、自分たちはここに絶対住まなければならないわけではなく、居留地以外のどこにでも住む権利があります。しかし逆に相当な理由がない限り、白人が住むことはできないそうです。

のちに訪問することになるインディアン居留地の最大ナバホ居留地には、今でも20万人のインディアンがそこで生活をしています。

サンタフェからチマヨへ向かうたった約40kmの間も、そんな様々なIndian Resarvationを通り抜けて辿り着きました。

チマヨは織物の作家さんたちが昔から多く住んでいる町で、今でも制作活動が盛んに行われています。
言うなれば織物の町!!
それはもう、布好きの私たちにとってはアトリエを訪問する前から気持ちが高まります。
その中でもチマヨ織りはMitsuさんも私も特に好きな織物で、お互い出会う前から其々がチマヨ織りのベストやジャケット、ラグ、ポーチなど買っていました。二人のを合わせたら十数点ぐらいあるのかな。

チマヨ織りは、ネイティブアメリカンの伝統的な色使いや柄と思われがちですが、実はそれらにスペインの影響が混ざり合ってできたものと言われています。

まずやってきたのは、チマヨラグの代表的なORTEGA'S(オルテガ)社!
 洋服好きな方は、一度は耳にしたことがあるメーカーなのではないでしょうか。
Mitsuさんも私もここのベストを愛用していたので、このアトリエを見つけた瞬間、ついにやってきちゃった!!!って思いましたよね。

オルテガ社の歴史はとても古く、17世紀後半から18世紀初頭にかけてチマヨ村へやってきたスペイン系開拓者(ガブリエル・オルテガ)という若者によって始まりました。

当時未開拓地であったチマヨ村にはすでにインディアンは住んでいたそうですが、ガブリエル・オルテガは、自分たちの手で作り出せるもので生活をしなければならない状況のもと、牧羊及び紡績してブランンケット類を作るようになったのが始まりだったと言います。

そして今もなおオルテガ家で継承され続け、現在8代目。そんな歴史的文化を持つオルテガ社のアトリエの目の前に今いる事が、本当に嬉しい!



しかし、あれ・・・?

ひとけが全くなし。
アトリエ、閉まってない!?


・・・・・・・・。
[SUNDAY CLOSED]



はい、今日は日曜日。
たった週1のお休みの日に私たちは訪問してしまったようです。
今日が日曜日で休業かもしれないということ、すっかり抜けていました。

ショッキング.....

そしてオルテガ社の駐車場の奥には、チマヨミュージアムじゃないですか!
 しっかりとクローズの文字・・・。
ガーーーーーーーーーン。


このミュージアムには、昔から大切に織られてきたヴィンテージのチマヨ織りたちが展示されているらしく、本当に興味深い場所でした。見たかったなぁ。

 なのでアトリエをぐるぐる観察して、きっとまたおいで!と言ってくれていると前向きに勝手に解釈をし、その空気感だけを感じて帰りました。

お次はCENTINELA(センチネラ)社。
長らくオルテガの制作に携わってきたテュフロイ・ファミリーが独立して作ったアトリエが、このセンチネラなのです。

現在は、6代目のアーヴィン・トルフィリオ氏とその妻リサさんによって継承され続けています。

うぁ!今度はOPENになっているじゃありませんか。
中に入ると、奥さんのリサさんが一人。

笑顔で迎え入れてくれ、アトリエで機織りをされていました。

「がしゃん、がしゃん、がしゃん…」

アトリエ内に響く機織りの音が、とても心地良い。

こんな大きな機織り機見たの初めて。

他メーカーの工房は、日曜日で休業なのに、リサさんは一人黙々と機織りされていました。


その大きな機織りを使って織り込む姿は、ひと織りひと織りに魂が込められているように見えました。
 いろいろ質問したり、話を聞きながら、見学。
「写真撮っても大丈夫?」と聞くと「もちろん!」と。
感動のあまり、たくさん撮らせていただきました。
 これは、機織りの下部分。
 この大きな4枚の板を足で踏みながら、織り上げていくのです。
 とても体力いる作業。
今作られているサイズで、約2週間かけて織り上げていくそうです。

 センチネラの芸術的評価の点では、あの有名なオルテガよりも高いと言われ、ニューヨークのMoMa(ニューヨークモダンアートミュージアム)にも展示されているほど。
  ラルフローレンも別注で作っている工房でもあるのです。

羊毛を紡いで、染色した糸が保管されているお部屋もありました。
これらの糸全て天然染色されたものなんですって!!
 オルテガ社を始め、他のチマヨメーカーが天然染色を断念していく中、このセンチネラは昔ながらの天然染色にこだわり続け、天然素材ならではのナチュラルな風合いを大切にされています。
 そしてセンチネラは伝統的な手法やパターンを大切にしながら、現在のアイディアを取り入れて作り出していることで、数々のコンテストで受賞されています。

こちらのお部屋には、表彰の証がずらり!
センチネラ家の家系図も説明されてありました。
チマヨの伝統的な織り方。
大きなラグももたくさんありました。
 こちらはまた別のお部屋で、たくさんの機織り機がありました。
 大きな製品も、全て1点1点手作業で作り込まれていきます。
 複雑ながらも、こうやってたくさんの糸を使い分けて織り上げていく技術は、本当に気が遠くなるような作業。
 一枚の大きな生地に仕上げてから、このようにバッグや洋服に縫製されていくのです。
 Mitsuさんも大好きなチマヨベストを吟味。
 直接アトリエから購入できるというだけあって、日本で買うより本当に安いです。

でも、私たちはここでも我慢。
自分たちが今、所有しているチマヨ製品たちを、大切に着続けようと再確認した瞬間でした。
流行りに流されない、古き良き時代の継承。
 そんなセンチネラをたっぷり見学させていただき、最後にもう一つ有名なTrujillo's(トルフィリオス)社のアトリエにも寄ってみることにしました。

トルフィリオスは、オルテガ、センチネラと並んでチマヨ御三家と言われているメーカー。

ジョン・トルフィリオ氏によって設立されました。

えっ?センチネラは、アーヴィン・トルフィリオ氏?
そうなんです、センチネラとトルフィリオスは、同じトルフィリオ家系によって作られているんです。ジョンは人間国宝と言われていたほど、世界最高峰のラグを作ることができた人。現在は亡きジョンの後継に、息子である2代目が継承しているそうです。
前身頃と後ろ身頃に継ぎ目のないトルフィリオスのベストはなかなか他メーカーには真似ができず少人数で作られている為、市場に出回るのも希少と言われています。

そんなトルフィリオスのアトリエへ到着。

やっぱり日曜日だから休業でした。

閉まっているドアから中を覗くと、センチネラのような大きな機織りがそこにはありました。

なんで、日曜日に来てしまったんだろう。。。

しかし、センチネラのアトリエを見学できただけでもとても光栄でした。

今、なんでも大量生産のものに溢れている世の中。そんな時代の中、1点1点手作業で作り続けられている物作りは、今となっては効率悪いながらも大切に継承され続けている背景がそこにはありました。
インディアンジュエリーもラグもそう。
作り手の顔を想像しながら、どんな思いでこれらが作られていったのかを想像するだけで、物に対する思い入れも倍以上のものになってきます

日本でも同じですが、世界各国でもこのような伝統的な物作りの作り手がどんどん減少していっているのが現状です。古き良き時代の良いものが新しい形にアレンジされて進化することはとても楽しいし、わくわくするし、素晴らしいことだと思います。ただ、原点である昔の文化や伝統、工芸はそのまま継承され続けることを切に願います。

チマヨ村の見学を楽しんだ私たちは、再度アルバカーキ隣にあるリオ ランチョという町に戻って予約していたKOAというメジャーなRVパークへ向かいました。
一泊1サイト28.34ドル。1サイトごとなので、1人約14ドルでプールもシャワーも洗濯い(手洗いですが)し放題!有難いです。

 今日は、朝からサンタフェの美術館から始まって、サンタフェ散策、そしてチマヨ村訪問ととても充実した1日となりました。

 久々のキャンプ場。(正式にはRVパークですが)やっぱり落ち着きますね。

スーパーで買った2ドルのフライパンで、豚の味噌焼きを作りました。
最高に美味しかった〜〜〜!!

今日も夕陽が美しい。
おやすみなさい。

7日目の走行距離は292kmでした。


Yoko.





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