原皮を運ぶ人も見かけました。
絨毯を購入して満足した私たちでしたが、ここの近くに革なめしの作業場「タンネリ」があるとのことだったので、絨毯やさんに荷物を置かせてもらい、タンネリ現場を見ることができる場所へ行ってみることにしてみました。
近くにあると言っても、ここは迷宮メディナ。
絨毯屋さんのオーナー、カリムが、タンネリの場所まで案内してくれる人を連れてこようか?ということだったので、お言葉に甘えてお願いしました。
地図のGPSも効きづらいこの地では迷う恐れ大だったので、連れてってくれる人がいるなんて有難い!
絨毯屋に迎えに来てくれたその人はタンネリ見学の場所まで教えてくれ、見学終わる頃にまた迎えに来るねと言って、その場を去って行きました。
案内してもらった建物に入ると、そこは何やら革製品のお店のようで、その建物の屋上からタンネリの作業様子を見学することができるんだそう。見学は無料!
建物の中にいたおじさんに、「こっちに付いてきて!」と言われるがまま、生のミントの葉っぱを手渡され、付いていくと。
うわーー!
ものすごい光景・・・・。
屋上から、皮を革へ加工している作業風景が見渡せるタンネリが一望!!
と同時に鼻に突き刺すような獣臭というか、悪臭というか、何とも言えない匂いが漂っていました。
ミントの葉っぱもらったけど何するのかなと思っていたら、この独特の匂いを紛らわすために、ミントの香りを嗅ぎながらこのタンネリの様子を見学するということだったようです。
確かに、少しは和らいでいるのかな。
いや、それでも獣臭が凄かったな、、、
この作業場は1000年もの歴史があるそうで、中世の時代から職人さんによる手仕事で、革をなめし、染色していくという昔ながらの手法で加工されて行っているんだそうです。
動物の皮はそのままにしていると腐敗して硬くなってしまうので、加工していく必要があります。
左側の白っぽい液体は、実は鳩の糞なんだとか。石灰水に1週間漬け込んだ後、糞の浴槽に3日間ほど漬け込み、糞に含まれているアンモニアの成分によって、皮を柔らかくしていくんだそうです。
牛、羊、ラクダ、ヤギの皮など・・・・
尻尾がついたままだったりして、結構生々しかったです。
そして毛を剥いだ皮を、約1か月もの間、染色の浴槽へ漬け込むんですって。
これは色ごとに分かれている浴槽。
原始的なやり方だことで、浴槽の中にそのまま入って足で踏んだり揉み込んだり、かなり肉体労働の様子。
染めあがった革を天日干しして乾燥させたら、加工前の原皮が完成。
この写真下に写っている黄色いのは、なめした後の羊革をサフランで染めたものなんですって。サフランは高級とされているので、サフランで染めあがった黄色い革は、他の色よりも高価で取引されるんだそうです。
ちなみに、ここで使われている染色は天然のものから出来ているんですって!
赤はポピー、青はインディゴ、緑はミント、茶色はザクロといった感じで。
これから、バブーシューや鞄、お財布やベルトなどの革製品へと生まれ変わっていくのです。
カラフルな革製品へと。
こんな強烈なニオイの中で肉体労働で働く職人さんは、本当にすごいなぁ。
この方々のお陰で、魅力的なモロッコ雑貨が続々と生まれていっているんですね。
それと同時に、私たちが可愛い可愛い!はしゃいで見ている革製品も、一つ一つに動物たちの命との引き換えに作られていったもの、ということを痛感し、複雑な気持ちにもなりました。
モノにあふれた世の中となって、簡単になんでも手にすることができるようになった今、つい忘れがちだったことでもありました。
いろんなモノに対して言えることですが、命のありがたみを感じ、愛情かけて大切に使わなければならないなと。
ここにこれて、いろんなことを考えさせられました。
これてよかった。
見学を終えた私たちは、革製品屋さんをさらっと見て、絨毯屋さんからここまで連れて来てくれた案内人と再会し、無事に荷物を置いていた絨毯屋さんへ戻ることができました。
ここで、ちょっとトラブル。というと大げさですが。
案内人のお兄さんに、気持ちばかりお礼をと、20DH(約240円)のチップを渡すと、少なすぎる!!コーヒー一杯しか飲めないじゃないか!と激怒。しまいには50ディルハム(約600円)よこせ!と。持っていないと言い張って渡しませんでしたが。ちなみに道案内のチップ相場はだいたい10〜20DH(120円〜240円)だそうです。コーヒーの1杯の相場も7ディルハム〜(約84円〜)なんですけどね。
もしこれからモロッコにご旅行行かれる方は、道案内、チップ問題にはお気をつけ下さい!
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